あしたのジョー
葉子・・・その愛
ジョー控え室に葉子が入ってくる
葉子「矢吹くん。さんざん逃げ回ったけど、この控え室にやってこないわけには行かなかったようね・
・。矢吹くん、リングに上がるのはおよしなさい」
ジョー「(笑)冗談きついぜお嬢さん」
葉子「貴方にとってもう一つの事実を言います」しかし、躊躇する
ジョー「どうした。早く言えよ」
葉子「貴方の全身は重いパンチドランカー症状にむしばまれています。これはキニスキー氏の診断であ
り厳然たる事実です」
ジョー「だからどうした」
葉子「だからどうした・・・。そう貴方知ってたのね」
ジョー「自分の体だもんな。だいぶ前から薄々な」
葉子「だったらなおのことだわ。今すぐ引退を表明して!今更・・試合を中止するとすれば莫大な違約
金をチャンピオンや主催者に支払らなければならないでしょう。でもそんなことはすべて私が責
任を持ちます。だから・・」
ジョー「もうポンコツだとか、はじめから勝ち目があるとか無いとか、そんな事じゃない。俺はそうや
ってここまで来た。そしてこれからもだ!悪いが出ていってくれないか・・ここは女の来る場
所じゃない」
葉子「・・・・」
ジョー「あんたが出ていかないなら俺が出ていく」
葉子「お願い・・待ってちょうだい。お願いだからリングに上がるのだけはヤメて・・一生のお願い」
ジョーは無視して扉を開けようとするが葉子が前を遮る。
葉子「好きなのよ!矢吹くん、貴方が!」
ジョー「・・・・」
葉子「好きだったのよ・・今まできづかなったけど・・・。この世で一番愛する人を廃人となる運命の
待つリングに上げることは絶対に出来ない!」
ジョーは葉子の両肩を握りしめ
ジョー「リングでよ世界一強い男が俺を待ってる。だから行かなくちゃな・・ありがとう」
ジョーはそう言って葉子の止める思いを制してリングに上るのだ
なかなか控え室から出てこないジョーを段平は迎えに来た。
段平「ジョーどうした?中に誰かいるのか?」
ジョー「いいや・・おっつあん。行こうぜ」