リングの足跡
WBA・WBCライト、WBCウェルター、WBAJミドル、WBCミドル級王者
ロベルト・デュラン(パナマ)
15歳でプロデビューしたデュランはKOの山を築き、21歳で無敗のままWBAライト級王者となる。
付いた異名が「石のこぶし」、まさに石でたたくような強打で挑戦者を倒し続け、ライト級の王座を12度
(そのうち11度はKO!)守ると、挑戦者が現れなくなってしまう。強すぎるが上の悲劇。そしてデュラ
ンは上のクラスに標準を合わせていくのだ。しかも一つ上のクラスではなく2階級上のウェルターにである。
しかし、デュランはこの時29歳、先生をすぎた観は拒めなかった。
ウェルター級にはとんでもない連中が待っていた。レナード、クエバス、ハーンズ、ベニテス等。特に
WBCウェルター級王者レナードとの2連戦は史上に残る試合となる。ただし、1戦目はデュランが名声を
高め、2戦目はデュランの戦績に汚点を残した。1戦目、デュランはキャリアの違いと実践的なクレバー差
を見せつけ、レナードに判定勝ちする。再戦でレナードはスピード差を生かしアウトボクシングに徹する。
レナードに触れないデュランは8R、「ノー・マス」(もうたくさんだ!)の言葉を残し、何と試合を放棄
するのだ。英雄の試合ぶりにパナマの人々はかなりガックリきたことだろう。その後、デュランはJミドル
に上げて、戦い続けるが世界タイトルに挑戦して敗れ、デュランの時代は終わったかに思えた。
だがデュランの闘争本能は衰えない。強豪クエバスをKOするとまたも世界挑戦。WBA世界Jミドル級
王者デビー・ムーアにKO勝ちして3階級目の王座に居座る。そして次ぎの試合は防衛戦ではない、統一
世界ミドル級王者マービン・ハグラーに挑戦するのだ!「あんた何考えているの?」私は正直そう思った。
ハグラーはムーアと書くが違う。これまで7度ミドル級のタイトルを防衛し、全員をKOしている。ミドル
級史上に残る名王者なのだ。デュランはJミドル級王者になったとはいえ、ミドル級で世界挑戦が出来ると
はとても思えない。しかも相手はハグラー。デュランは負ける、しかもKOで。こう予想したのは私だけで
は無いはず。
結果は意外であった。ハグラーの小差判定勝ちと出たのだ。「ハグラーに善戦するとはさすがデュランだ」
負けたといえ、デュランの能力には驚いた。だが翌年夏、デュランはハーンズに生涯初のKO負けを味わう。
まるでライト級王者の時のように相手を痛烈にKOしたように自分が倒されるのだ。時代が変わって行くの
を感じたファンも多かったと思う。そんな事をまったく気にしないのがデュラン本人だ!。
ハーンズに敗れたから半年後にデュランは再起する。もうファンが注目するし合いに縁が無い。無名相手
に試合をしていたデュランにチャンスが訪れた。WBCミドル級王者になっていたアイラン・バークレに
挑戦が決まったのだ。そしてデュランはこのチャンスを物にする。判定でバークレに勝ち4階級制覇をなし
とげる。デュランはこの時37歳!プロ入りから22年目の事であった。
その後のデュランについては語るまい。かと言って決して悲観的なことではない。何せデュランは現役選手
なのだ。今現在のデュランが何度負けようが過去の栄光は汚れない。デュランは戦うことが何より好きなのだ
ろう。それにしてもライト級時代のデュランの倒しっぷりはスゴイ!まるで野獣のようだ。彼を崇拝する
ボクサーが多いのもうなずける。戦績111戦99勝(69KO)12敗。(1996年11月現在)
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