おいらの昔話 その参

 「おいらの昔話」ってのも何となく、夜ヒマだから書いてたんだけど、現「拳キチ」の親父が「書け
書け」って恐ろしく喝るもんだから慌てて書いたぜ。
 一つ間違えれば「恐喝」って言う罪になるんだけど、またこの親父が「好評」って言葉の巧みを使っ
ておいら心をくすぐりやがるもんだから、のせられて書く是ぜ。
 今日はな、おいらにも外人の友達がいることを話そうかな。そいつはおいらよりも五つぐらい年上だ
ったな。そいつは今でも米軍基地にいるんだけど前は、「イカ釣りで賑わう町」の小さなジムにいたん
だな。おいらもそのジムにはよく練習に行ったんだけど。
 そこで、奴とはよくスパーリングをやったな。そいつの左ジャブが速いの何のって、時々遅いのを混
ぜてくるからたまに見えないのが有るんだな。でも3回ぐらいやると目が慣れてきてかわせるんだな。
奴も、もう少しパンチ力が有れば「角ロブスター・ジュエリー・ジム」の坂元[仮名]選手には負ける
こともなかったと思うな。
 奴と初めてスパーリングをやったとき、おいらは高校二年だったけど、まあまあ奴を殴っちゃったん
だな、そして奴らが「ヘイ・ユー、ナイスボーイ」っておいらを誉めてくれるからおいらもいい気にな
ってさ。そんでたまたま奴とシャワーに入ってがっかりしたぜ。奴の方が「ナイスボーイ」なの、しか
も黒くて。まるでゴムホースみたいなのをぶらさげてやがんの。日本人は勝てないと思ったね。でもね
「天は二物を与えず」って奴は気が弱いんだな、おいらが「職業ボクサー」になって二戦目の時、奴と
いっしょの試合でさ、奴は韓国で言う「イルボンタイトル」に挑戦したんだな。ホテルは一緒の部屋だ
ったけど眠れなくて夜中に「影拳闘」してやんの。でも、何となく奴の気持ちは分かったぜ。おいらは
6回戦1R、KOで勝ったけど、奴が7R、TKOで勝ったときは自分が勝ったときよりうれしかった
な。奴はおいらがやめちまった今でもスペイン語で言う「ハポンタイトル」ヲ12回ぐらい守っている
けど頑張って欲しいな。そういや子供が出来たみたいだけど、怪我だけは気を付けて欲しいな。
 昔、通称「コリアンの鷹」ってボクサーがいて、おいらが「兄貴」って読んだら笑ってたな。
     

大好評!「おいらの昔話 その四」乞ご期待!

         ペンネーム メキシコのR指定、クトンジ・ウトーサ


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