あしたのジョー 

そして燃え尽きた・・・ホセ・メンドーサに挑戦


世界ランキングに名を連ね、もはや世界王者ホセ・メンドーサ以外敵なしのジョーではあ
ったが、ジョーを非行少年時代から見守り続ける白木葉子はジョーがマスコミに騒がれ、かつての野性
味を失ってしまったのではないかと不安な気持ちでいた。完璧なる王者ホセに対抗するには力石徹を死
至らしめた頃の野生の本能ではないかと考えた。そのためマレーシアからハリマオという野生そのもの
のボクサーを連れてきてジョーと対戦させた。野生そのもののハリマオと対戦させることで野生の本能
を取り戻させようと言う葉子の思惑通り、ジョーは得意の喧嘩さっぽうでハリマオをリングに沈めた。
東洋王座2度目の防衛を成し遂げると共にホセへの挑戦権を獲得した。
 試合終了後、ジョーの目の前に浮浪者らしき汚い身なりの外人が現れた。ジョーにはそれが誰かすぐ
に分かった。かつて自分と戦い引き分けたカーロス・リベラだ。カーロスはホセに敗れた後、行方不明
となっていた。ジョーすぐさま控え室につれていき廃人となったカーロスをてあつくもてなした。カー
ロスはジョーとの記憶は残っており、ジョーに会うべく日本に密告してきたのだ。ジョーはすぐさまカ
ーロスに着替えを渡すが、ボタンがはめられない。代わりにジョーがはめようとするが、手が言うこと
を聞かない。それを見ていた葉子はすべてに気づいた・・。
 ジョーがパンチドランカーではないかと不安におののく葉子はハリマオ戦を組んだことを後悔した。
野生の本能が失せたのではなく、パンチドランカーとなったジョーの症状の現れだったことに気づいた
のである。パンチドランカーとはパンチを受けた衝撃により、脳の通数神経がいかれて、まるで酒に酔
っている症状のようになり、重ければ廃人となる運命である。これを医師のドクター・キニスキーにジ
ョーがパンチドランカーであるという事実を確認してしまう。
 慌てた葉子はジョーと直接会い、これを伝えようとするがジョーは会おうとしない。そして更に、ジ
ョーとの戦いで廃人となったと信じられていたカーロスは、実はホセとの戦いでのダメージで廃人とな
った事が明らかになる。コーク・スクリュウ・ブロー、ホセの得意とするパンチを浴びたカーロスは見
るも無惨な姿となっていたのだ。そんなホセとこのまま対戦させるわけにはいかないと葉子はしきりに
ジョーと会おうとするがジョーは決して葉子と会おうとしなかった。
 ついにホセとジョーの世界バンタム級タイトルマッチの日がやってきた。会場となる日本武道館は満
員となった・・・。
ジョーが待つ控え室に葉子が現れ、ジョーにパンチドランカーと葉子の愛を伝えた。
葉子の思いをふりほどき、廃人となる運命の待つリングへと上った。もはや誰も止められはしない
 ホセと壊れているジョーとの実力差は歴然としていた。早くも初回、劣勢に立つと2回にはダウンし
て何もできない状態だった。粘るジョーは次第に片目の視力を失い、遠近感が獲れないため、パンチの
方向がずれて、これが災いしホセにパンチがヒット。ついに形成は逆転されホセがダウン。
 しかし、これも永くは続かなかった。ジョーの片目に視力が無いことに気づいたホセはジョーの見え
ない視角に回って、完全に試合はホセのペースになった。もはやジョーのセコンドには見込みがなかっ
た・・・。
 「ジョー。良くやった。もう終わりにしよう」丹下段平が勧めるとジョーは
「おっつあん。何にも言わないで、真っ白になるまでやらせてくれや・・」
「真っ白?真っ白とはいったい・・・」
ジョーはめった打ちに会いながら反撃。葉子も一度は見るに絶えず、会場から逃げ出すがジョーのそば
を離れられず再び舞い戻った。そこには試合を捨てず必死に立ち向かうジョーの姿があった・・・
 ついに試合は最終ラウンド。ホセの猛攻でジョーは力つきてダウン。葉子の必死の声援で立ち上がり
今度はクロスカウンターを決めてホセをダウンさせた。何とかホセも立ち上がったが、今度はトリプル
クロスでホセを倒す。立つのが精一杯となったホセと激しい打撃戦を演じて、ついに試合終了のゴング
!!。勝負は判定となった。そこには・・ジョーのすべてを出し尽くした顔があった。
「燃えたよ・・・燃え尽きた・・・。真っ白に・・・」
しかし判定はホセに上がりタイトル防衛。ホセの顔は別人のように変形していた・・・。
「ジョー。良くやった。何も言うことはねぇ・・・」
段平は気づいた。ジョーが死んでいることに・・・
そこにはジョーの燃え尽きた姿があった・・・・。







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