ヘビー級最強伝説

第1話・ジャック・ジョンソンvsジェームス・J・ジェフリーズ

1910年


 今でこそ黒人一色のヘビー級であるが1世紀ほど前までは白人のものであった。当時は黒人人種差別
が激しくヘビー級タイトルは白人の独壇場である。なぜなら世界ヘビー級は史上最強の男であり、最強
の男は誇り有る白人のものではなくてはならなかったからだ。
 黒人は世界ヘビー級への挑戦は許されなかった。しかし、ジャック・ジョンソンという強すぎる黒人
ボクサーが現れ、当時の王者だったトミー・バーンズを世界中追い回し、ついに1908年豪州のシド
ニーでバーンズをKOして黒人初のヘビー級王座についた。
 白人のプライドは傷つけられた。誇り有るヘビー級王座を黒人に奪われたとあっては最大の恥だ。更
に白人女性とジョンソンは結婚し、それがあまりにも美しかったために白人たちは、ジョンソンに対し
憎悪がいっそう増し「ニグロ野郎を殺せ!」と全米を怒り散らしていた。
 だがジョンソンは強すぎた。白人期待のミドル級王者スタンリー・ケッチェルを12ラウンドに粉砕
し、もはやジョンソンの敵はいなくなった。どうしてもタイトルを取り戻したい白人たちは6年前に無
敵を誇り、強すぎるため相手がいなくなった為に引退したジェームス・J・ジェフリーズに「ヘビー級
タイトルを取り戻してくれ」と言って説得。ジェフリーズは引退後、牧場生活をしていたが白人たちの
説得に30ポンドの減量をし「黒人を殺す!」と言って再起し白人たちを喜ばせた。
 ジェフリーズは18勝(15KO)不敗2分のレコードを持っていた無敵のボクサーで当時7度防衛
うちKOが6と言う強いボクサーだった。
 試合は1910年7月4日、米ネバタ州のリノで行われ白人期待のジェフリーズが黒人ジョンソンを
仕留めるのを一目見ようと会場は白人一色にぎっしりつまっていた。
 グレート・ホワイト・ホープ(偉大なる白人の希望)と言われたジェフリーズではあったが6年のブ
ランクで動きが重い。おまけにジョンソンが金色の歯をちらつかせ笑い顔を浮かべながら「ミスター・
ジェフリーズ、少し手加減をしましょうか?」「ミスター・ジェフリーズ、失礼して一発打たせてもら
いますよ」と、ののしり笑い散らす。ジョンソンはジェフリーズを痛めつけていた。
 15ラウンド、ジョンソンが右強打を放つとジェフリーズはロープの外に吹っ飛んだ。白人は泣き叫
び悲鳴を上げてジェフリーズを立ち上がらせてリングの中に押し戻す。ジェフリーズにとってリング生
活初めてのダウンだ。自分たちの心のヒーローが黒人に滅多打ちされる姿を見て会場は悲鳴の嵐となっ
た。2度のダウンを喫すと白人たちは「やめろ!やめろ!KOにさせるな!」と絶叫する。白人の期待
はむなしく最後の希望ジェフリーズは3度目のダウンを奪われると試合は終わった。
 これをきっかけにスラムの片隅に、こそこそと生きていた黒人たちは胸を張って歩くようになり、白
人は怒りで黒人を射殺するという事件が全米で起こった。さらにジョンソンは重婚材の罪を着せられ6
年の懲役刑となり、それを逃避するため国外逃亡を余儀なくされた。主戦場はヨーロッパに移すのだっ
た・・・。ジョンソンが負けるまで白人は許しはしない。

                 
ジョンソンvsウィラードに続く

拳キチ伝言板

 
「ヘビー級最強伝説」の感想をお聞かせ下さい。

      このコーナーにお問い合わせはkenkichi@ic-net.or.jp

ヘビー級最強伝説目次へ
拳キチ倶楽部へ
ホームへ戻る